Lisa から Macintosh へと、それはシリコンバレーで起きたアップル王国の激動の時期を描いた物語だった。
『レボリューション・イン・ザ・バレー』は、Macファンならずとも、ついつい引き込まれてしまう内容である。コンピュータに少しでも興味を持つ者なら、Macintosh が GUI(グラフィカルユーザインターフェース)を初めて搭載した普及型パソコンであったことくらいは知っているはずだ。その華麗さゆえ、その誕生はいかにもドラマティックなものであった。
Macファンはそのドラマをかいま見ることでいっそうMacへの親交を深めるだろうし、そうでなくても、コンピュータ好きにとってその洗練された技術に感嘆させられるだろう。写真もふんだんに使われていて、往年のプログラマには懐かしいものが多々あるはずだ。また、ショートストーリーが時代順に編集されているので、毎日のコーヒーブレークの読み物として少しずつ読むのも良い。